ややこしい「源ノ角ゴシック」と「Noto Sans」のまとめ
「源ノ角ゴシック」「Noto Sans Japanese」のリリース(2014年)から5年。いろいろややこしくなってきたので、まとめてみました。
おかしなところがあれば、ご指摘くださいますと助かります。
Adobe Fontsから入手できる「源ノ角ゴシック」のバリエーション
Adobe Fontsには「源ノ角ゴシック」と「源ノ角ゴシック CJK」の2種類の源ノ角ゴシックがあります。
次のような違いがあります。
フォント名 | 源ノ角ゴシック | 源ノ角ゴシック CJK |
---|---|---|
アプリケーション での表示名 | 源ノ⾓ゴシック JP | 源ノ⾓ゴシック |
ウエイト数 | 7 | 7 |
グリフ | Adobe-Japan1-6 (ただし、カバーしているのは漢字グリフのみ) | 簡体中国語、繁体中国語、韓国語のグリフを含む |
Jサブセット | CJKフルセット版 | |
備考 | 「びゃん」「たいと」は入っていない |
Illustratorなどのアプリケーションでの表示
「源ノ角ゴシック」は「源ノ⾓ゴシック JP」、「源ノ角ゴシック CJK」は「源ノ角ゴシック」と表示されます。
一致させてくれるとよかったと思います。
Illustratorなどのアプリケーションでの表示(英語表記のとき)
英語表記にすると、「Souce Han Sans(JP)」になります。
なぜか「Regular」のウエイトのみ、「Regular」が表示されません。
ちょっと気になる点
こちらの記事(blogs.adobe.com/japan/cc-adobefonts-source-han-sans-japanese-source-han-sans-cjk-japanese/)内に
- 「源*の*角ゴシック」ファミリー
→ 「源ノ角ゴシック」ファミリー - これらのフォントには、Unicode CJK Unified Ideographs Extension G に追加される予定の
→ Jサブセット版にはUnicode CJK Unified Ideographs Extension G に追加される予定の
(前段落の後半で「源ノ角ゴシック CJK」に触れているため、「これらの」がどちらを指すのか混同します)
Googleから入手できるNoto Sans
Googleではウェブフォントを前提とした「Noto Sans JP」と、サブセット化した「Noto Sans Japanese (Japanese)」、それ以外の「Noto Sans CJK JP」があります。
「Noto Sans JP」と「Noto Sans Japanese (Japanese)」は同一ではありません。
フォント名 | Noto Sans JP | Noto Sans Japanese | Noto Sans CJK JP |
---|---|---|---|
入手先 | Google Fonts + 日本語」 ※ダウンロードは不可 | Early Access | Google Noto Fonts |
ウエイト数 | 6 | 7 | 7 |
(DemiLightがない) |
ウエイトについて
ウエイトについてまとめると、アドビ、Googleのリリース元によって異なります。
- ExtraLight/Thin
- Normal/DemiLight(Noto Sans JPでは欠番)
- Heavy/Black
アドビ | ||||
---|---|---|---|---|
源ノ角ゴシック | 源ノ角ゴシック CJK | Noto Sans JP | Noto Sans Japanese | Noto Sans CJK JP |
ExtraLight | Thin | |||
Light | ||||
Normal | (ない) | DemiLight | ||
Regular | ||||
Medium | ||||
Bold | ||||
Heavy | Black |
こちらのページでは、「ブラウザーの実装のためにDemiLightのウエイトを削除した」とあります。
Note: Due to browser's poor handling of non X00 weights, the DemiLight weight of Noto Sans JP has been removed.
Noto Sans JP | Noto Sans CJK JP | font-weight |
---|---|---|
Thin | 100 | |
Light | 200 | |
(ない) | DemiLight | 300 |
Regular | 400 | |
Medium | 500 | |
Bold | 600 | |
Black | 900 |
OTF/OFC/Super OTC
Notoフォントの場合には、実際には、さらに次のバリエーションがあります。
- 日本語のみで7ウエイト(7ファイル、4言語なら合計28ファイル)
- CJK(4言語)で7ウエイト
- CJK(4言語)で1ウエイト、1フォントファイル(Super OTC)
種別 | 言語 | ファイル数 |
---|---|---|
Language-specific OpenType/CFF (OTF) | Jのみ | 7 |
OpenType/CFF Collection (OTC) | CJK | 7 |
Super OpenType/CFF Collection (Super OTC) | CJK | 1 |
図解すると、こうなります。
まとめ
改めて、まとめです。
リリース | フォント名 | ウエイト | 日本語み | CJK | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
アドビ | 源ノ角ゴシック | 7 | ✓ | Jサブセット | |
源ノ角ゴシック CJK | 7 | ✓ | CJKを含む | ||
Noto Sans JP | 6 | ✓ | ウェブフォント用 | ||
Noto Sans CJK JP | 7 | ✓ | Jサブセット | ||
Noto Sans CJK JP | 7 | ✓ | OTC(CJKを含む) | ||
Noto Sans CJK | 7 | ✓ | Super OTC(CJKを含み1ファイル) |
今回、この記事を書いてわかったこと
- 「源ノ角ゴシック」と「Noto Sans JP」では、ウエイトの呼び方が異なる(ExtraLight/Thin、Normal/DemiLight、Heavy/Black)
- 「Noto Sans Japanese」は、もうない。
- ウェブフォント版の「Noto Sans JP」には、「DemiLight 」のウエイトがない
どれを使うべきか
私はAdobe Fonts版の「源ノ角ゴシック」でなく、「Noto Sans CJK JP」を使っています。理由は2つ。
- Adobe Fontsの場合、出先のインターネット回線によってアクティベートできない等の問題が生じる経験がある
- パッケージするときに、Adobe Fontsは収集されない
日本語のみでよい場合(Jサブセット:単言語版)
- 源ノ角ゴシック
- Noto Sans Japanese
- Noto Sans CJK JP
CJK
- Noto Sans CJK JP(OTC)
- Noto Sans CJK JP(Super OTC)
Jサブセット | CJK | |
---|---|---|
アドビ | 源ノ角ゴシック | 源ノ角ゴシック CJK (源ノ⾓ゴシック) |
Noto Sans JP Noto Sans CJK JP | Noto Sans CJK |
OTF/OTC/Super OTCの使い分けについては、次のチャートが公開されています。
日本語版
リンク集
- blogs.adobe.com/japan/cc-adobefonts-source-han-sans-japanese-source-han-sans-cjk-japanese/
- Noto Sans JP の種類が理解できない件 - uknmr
- Source Han Sans(源ノ角ゴシック)/Noto Sansがリリースされました - DTP Transit
- Noto CJK – Google Noto Fonts
- GitHub - googlefonts/noto-cjk: Noto CJK fonts
- 源ノ明朝/角ゴシック-1 フォントを整理しよう – ものかの
- Noto Sans JP - Google Fonts
追記(2019年5月1日):
@monokanoさんにご指摘いただき、一箇所修正しました。ご指摘ありがとうございます。
「源ノ角ゴシック」のグリフ
Adobe-Japan1-6
→ Adobe-Japan1-6(ただし、カバーしているのは漢字グリフのみ)