デスクトップ版IllustratorユーザーのためのIllustrator iPad版 攻略 #IllustratoroniPad

2020年10月20日にiPad版のIllustratorがリリースされました。Creative Cloudメンバーであれば出費なしで使えます。

Adobe Blogでの連載

Adobe Blogにて「デスクトップ版IllustratorユーザーのためのIllustrator iPad版 攻略」という連載をはじめました。

実体験として、戸惑ったことを深掘りしましたので、お役に立つことと思います!

追記

簡潔なまとめ

連載記事の完結なまとめです。

  • [グループ選択ツール]の形状がデスクトップ版のIllustratorと大きく異なっている
  • [グループ選択ツール]はない。オブジェクトをダブルタップすることで階層を潜る
  • パスファインダー(シェイプを結合)を実行すると、複合シェイプ(仮)の状態になる。拡張するには[パスに変換]をタップ
  • [シェイプ形成ツール]は、[シェイプを結合]パネル内にある。切り替えのキーボードショートカットはデスクトップ版と同じshift + Mキー
  • 描画系のツールは、[ペンツール]、[鉛筆ツール]、[塗りブラシツール]のみ
  • [ブラシツール]は正確には、[塗りブラシツール]。描いた線は、線に見えても実体は「塗り」のみになる
  • [前面にペースト]や[背面にペースト]はない
  • command + Dで複製の繰り返しはないため、リピートグリッドを使う
  • 長方形を選択するとコーナーウィジェットはひとつしか表示されないが、四隅が対象
  • ルーラーガイドがないため、[ペンツール]や[鉛筆ツール]で描いた線をガイドに変換する
  • アートボードの回転はできない
  • ファイル名の変更は環境設定で設定する。一方、レイヤー名は左にスワイプしてから設定する
  • スポイトツールがないため、[編集]パネル内にある[アピアランスをコピー][アピアランスをペースト]を使う
  • サンプルテキストとして、「その壮大なプロジェクトは」が挿入される(文字数え:「□□□□○□□□□●」やLorem Ipsumに変更可能)
  • option + ←/→によるカーニングはできないが、[プロパティ]パネルで設定する
  • 「オプティカル」カーニングを設定できない。デスクトップ版で設定したものは保持される
  • 第二世代のApple Pencilで、ペン上をダブルタップしたときのアクションを設定できる(オススメは「オブジェクトやパスを選択解除」)
  • カンバス上でダブルタップすると、クリップボードの内容がペーストされます。
  • 共通アクションの[ロック]をタップすると、アートワークの左上にロックアイコンが表示されます。このロックアイコンをタップするとロック解除されます。
  • シェイプを選択して画像を配置するとマスクされる
  • Magic Keyboardなど、キーボードを接続しているとき、デスクトップ版と同様の多くのキーボードショートカットを使える

Adobe Blogでの記事

三階ラボさん、hamkoさんの記事も必読です!

動画コンテンツ

10月30日に開催された「【CC道場 スペシャル】Illustrator iPad版 活用術「誰でも簡単!スケッチノートの作り方教えます」今話題のスケッチノートの作り方を何処よりも判りやすく解説」のアーカイブが公開されています。

インフォグラフィックで有名な『ビジュアルシンキング・ラボ』主宰の櫻田潤さんが傾倒されているスケッチノートについても注目です。

Adobe MAXでのamity_senseiのセッションのアーカイブもオススメです。やっぱり操作しているところを見るのが一番早い。

変わりつつあるiPadの位置づけ

アプリ、入力デバイス(Apple Pencil、マウス、トラックパッド、キーボード)、フォントなどiPadの位置づけが全方位で変わりつつあります。

リリースから10年。「曲がり角」を曲がって少し進んだあたり。可能性として無視できないし、インスピレーションも刺激されるので実体験としてさわっておくとよさそう。

どのiPadがよいの?

記事の執筆のために、複数のiPad版を使って検証しました。iPadの性能はともかく、第二世代のApple Pencilがストレスが少ないです。そして、キーボード。重いし、高いけれど、Magic Keyboardがオススメ。快適です。

10月に出たばかりのiPad Airが狙い目かも。出たばかりのタイミングでは、Procreateで作れるレイヤー数が少ないという情報がありましたが、すぐに解消されたようです。

iPadそのものを持っていないし…という方には、エントリーモデル+Apple Pencilという組み合わせも。でも、容量は後から増やせないので「大は小を兼ねる」作戦がオススメです。