CCライブラリに関してのメモ
この記事内の目次
IllustratorやPhotoshopのUIに鎮座しつつも、あまり使われていないCCライブラリ についてまとめてみました。
3つの連携
CCライブラリは3つの連携を可能にします。
- ドキュメント間
- アプリケーション間
- ユーザー間
Illustratorのシンボルとの使い分け
Illustratorのシンボルは、ドキュメントをまたぐことができませんが、CCライブラリを介せば、ドキュメント間でパーツをシンクロできます。
自分だけの素材集
矢印やロゴなど、よく使うパーツをCCライブラリにおき、「自分だけの素材集」として育てれば、「あれ、どこだっけ?」という探す時間を削減できます。
なお、自分だけで使う場合には、optionキー(Altキー)+ドラッグしてリンクせずに使うのがラク。逆をいうと、通常のドラッグしたものは編集できません。
注意点(1)バックアップ
CCライブラリの実体は、アドビのクラウド上にあり、自動でバックアップされ、履歴も管理されています。
これは「建前」なので、自衛として、たまにバックアップを取りましょう。
パネルメニューから[○○を書き出し]を選択すると、「.cclibs」という単一のファイルとして保存できます。
注意点(2)自動更新に注意
次のようなシナリオがありますが、出るべき更新アラートが出ません。
- 「AさんがIllustratorでロゴを作成し、CCライブラリ経由でBさんに渡す」
- 「BさんがInDesignに配置」
- 「AさんがCCライブラリ上のロゴを修正」
- 「次にInDesignを開くと、自動的にロゴの修正が反映される」
これは非常に深刻なトラブルにつながる仕様ですが、なかなか改善されません…
注意点(3)リンク切れ
配置画像と同様、リンク配置したCCライブラリのアイテムは、添付しないとリンク切れになります。
「パッケージ」を利用しましょう。
公開ライブラリ
ライブラリ単位での共有はメールアドレスにて行います。URLを発行することで、不特定多数への公開が可能になっています。
パネルメニューの[リンクを取得]をクリック
Creative Cloud デスクトップアプリケーション上で「リンクを共有」というアラートが出る
[フォローを許可]オプションをオンにし[リンクをコピー]して、URLを共有すれば、公開ライブラリとして使うことができる。
WordやPowerPointで使う
「Adobe Creative Cloud アドイン」をインストールすれば、WordやPowerPointでCCライブラリが使える。
ビジネスユーザーとのパーツ共有がむっちゃラクになる。
クラウドドキュメントとの違い
- CCライブラリ:パーツ、アイテム単位
- クラウドドキュメント:ファイル単位
その他の変更点
CC 2014で導入されたCCライブラリは、細かい仕様変更が絶えず行われています。最近では、アイテムの「グループ化」が可能になっています。
- Creative Cloud ライブラリを使った直しに強い素材管理方法 | Adobe illustrator CC tutorials | Adobe Illustrator チュートリアル
- Creative Cloudライブラリに関するメモ - DTP Transit
注意点(4)Illustratorに再配置して使うとき
hamkoさんのツイートの件について解説します。
ベクター素材をCCライブラリに保存して、別ドキュメントに配置すると、デフォだとリンク状態になる。それを埋め込むと効果類は自動で分割かかる。
— hamko (@hamko1114) November 6, 2020
下準備
次のように、塗りだけの円にドロップシャドウ効果をかけたオブジェクトを用意する
[CCライブラリ]パネル右下の[+]ボタン → [グラフィック]をクリックすると、ベクターグラフィックとして追加される
リンクを配置
アピアランス(効果)を適用しているCCライブラリのアイテムをリンク配置後、埋め込むのは避けましょう。
ドラッグ&ドロップでリンク配置したオブジェクトを埋め込みする
壮絶にクリッピンググループがかかり、さらに効果は分割されてしまう
コピーを配置
[コピーを配置]または、option + ドラッグで配置したオブジェクトは、アピアランス(効果)は保持されますが、グループ化されています。
グループ解除を実行します。
CCライブラリに登録する前に戻ります。
まとめ
- アピアランス(効果)を適用しているオブジェクトをリンク配置した場合には埋め込まない。パッケージで集めてリンクのまま扱う。
- コピーを配置したCCライブラリのアイテムはグループ解除してから使う