Illustratorの環境設定ファイルのバックアップと移行

Illustratorで環境設定を変更すると、それらが保存される場所があります。

Illustratorの調子が悪いときにはクリアしたり、ほかのPCと同期するには、このファイルを共有します。

この記事内の目次

Illustratorの環境設定の保存場所(1)

  • macOS:~/Library/Preferences/Adobe Illustrator Settings/jp_JP/Adobe Illustrator Prefs
  • Windows\Users\\AppData\Roaming\Adobe\Adobe Illustrator Settings\jp_JP\x64\Adobe Illustrator Prefs

バージョン名

上記の「Adobe Illustrator 」には、Illustratorの各バージョン、それぞれ整数バージョンの番号が入ります。

バージョン初期設定
Illustrator CC(2019)Adobe Illustrator 23 Settings
Illustrator CC(2018)Adobe Illustrator 22 Settings
Illustrator CC(2017)Adobe Illustrator 21 Settings
Illustrator CC(2015.3)Adobe Illustrator 20 Settings
Illustrator CC(2015)Adobe Illustrator 19 Settings
Illustrator CC(2014)Adobe Illustrator 18 Settings
IIllustrator CC Adobe Illustrator 17 Settings

保存される内容(macOSの場合)

ファイル/フォルダー名種別中身バックアップ
AI カラー設定カラー設定
AIAppResources
AIFontMenuCache
AISniffer
Adobe Illustrator Cloud Prefsクラウド関連
Adobe Illustrator 環境設定環境設定
AdobeFnt_CMaps.lst
AdobeFnt_OSFonts.lst
DB_CrashRecovery.log
DF_sim_fea_sys.cch
DF_sim_meta_sys.cch
FilesLog.log
Last Used Artboard Export Settings
Last Used Asset Export Settings
RecentDataCache.log
plugincache.bin
sw.kysキーボード
ショートカット
プラグインキャッシュ
DVADialogPrefsフォルダ
DataRecoveryフォルダ復元用
WSMgrCfgフォルダ
ツールフォルダ
ワークスペースフォルダ
変更されたワークスペースフォルダ

環境設定ファイルの初期化

起動時に次のキーを押すと、環境設定ファイルが初期化されます。

  • macOS:⌘ + option + shiftキー
  • Windows:Ctrl + Alt + Shiftキー

Illustratorの環境設定の保存場所(2)

macOSの場合には、「~/Library/Application Support/Adobe/Adobe Illustrator 23/ja_JP/」にも(分散して)保存されます。

ファイル/フォルダー名種別中身バックアップ
Adobe SVG フィルタ.svgSVGフィルタ
AISimpleProperty.db
cmapTemp.lstフォント関連のキャッシュ
fontTemp.lstフォント関連のキャッシュ
IllustratorFnt.lstフォント関連のキャッシュ
IllustratorSession.lck$$
TypeSupportCmapTemp.lstフォント関連のキャッシュ
Web 用に保存
New Document Profilesフォルダ
グラフィックスタイルフォルダグラフィックスタイル
シンボルフォルダシンボル
スウォッチフォルダスウォッチ
プラグインフォルダ
ブラシフォルダブラシ
禁則処理フォルダ禁則処理
合成フォントフォルダ合成フォント
文字組みフォルダ文字組み

その他(アクション)

アクションは、自動でバックアップされません。

[アクション]パネルメニューの[アクションの保存]をクリックして意識的にバックアップする必要があります。

なお、この際、「sw」というアクションセットを保存するには、「sw-20190829.aia」のようにタイムスタンプを付けてネーミングするのがオススメです。

  • 同じ日にバックアップを繰り返さない限り、ダブらない
  • [アクションの読み込み]を行うとき、オリジナルのセット名のみが読み込まれる

個別の設定

Illustrator CC以降は、[個別の設定]を使うと、環境設定まわりのファイルをまとめて書き出したり、読み込んだりすることが可能です。

  • [設定の書き出し]を実行すると「AI23設定_2019-08-29_4 15」のような名称でZIP圧縮されたファイルが生成される
  • [設定の読み込み]をクリックして、書き出したファイルを選択すれば設定を復元できる(※完全ではありません)
  • アクションは含まれない

なお、ZIPファイルを解凍すると、次のように表示されます。

これは一例で、カスタマイズ環境によってことなりますが、個別の設定で書き出されるのは、カスタマイズした項目のみのようです。

シンボリックリンクを使った共有

同じOS間で、環境を揃えたい場合には、環境設定そのものをDropboxなどのクラウド上に移動し、そのシンボリックリンクを該当箇所に移動します。

ターミナルやコマンドプロンプトを使わずに、シンボリックリンクを作成するには、次のユーティリティを用います。

Mac

Windows

キーセットファイル(キーボードショートカットのセット)は、OS間で共有できるのか?

試してみたところ、できました。なお、キーセットファイルの拡張子は「.kys」です。

「個別の設定」を解凍した場合、「sw.kys_mac」のような名称になっていますので、「_mac」を削除すれば、問題なく動きます。

参考記事