キーボードショートカットを使って、ちょっとずつ大きく、ちょっとずつ小さく(Illustrator、InDesign)

IllustratorやInDesignで、キーボードショートカットを使って、ちょっとずつ大きく、ちょっとずつ小さくする方法についてまとめてみました。

この記事内の目次

こちらの記事のリライト版です。

フォントサイズ

下記のキーボードショートカットは、すべてのアプリケーションで共通。Illustrator、InDesignのほか、Photoshop、Word、Excelでも使えます。

  • 大きく:command + shift + ,
  • 小さく:command + shift + .

,と.のキートップには<と>がありますので「大なり、小なり」と覚えます。

Illustrator

[環境設定]の[テキスト]カテゴリの[サイズ/行送り]の値に依存します。

デフォルトは「2pt」。「1pt」に変更するのがオススメです。

optionキーを加えると、[サイズ/行送り]の値の5倍の大きさで増減します。デフォルトでは10ptずつ、「1pt」に変更すると5ptずつです。

  • もっと大きく:command + option + shift + ,
  • もっと小さく:command + option + shift + .
環境設定
2pt
1pt
command + shift + ,2ポイント小さく1ポイント小さく
command + shift + .2ポイント大きく1ポイント大きく
command + option + shift + ,10ポイント小さく5ポイント小さく
command + option + shift + .10ポイント大きく5ポイント大きく

InDesign

InDesignでは環境設定の[単位と増減値]カテゴリで設定します。

デフォルトでは、次のようになっています。

  • 組版:歯
  • テキストサイズ:級
  • サイズ/行送り:1H

そのままがよいと思いますが、「2H」に変更すると、次のように増減します。

環境設定
2Q
1Q
command + shift + ,2Q小さく1Q小さく
command + shift + .2Q大きく1Q大きく
command + option + shift + ,10Q小さく5Q小さく
command + option + shift + .10Q大きく5Q大きく

ポイントに変更すれば、Illustratorと同様です。

  • 組版:ポイント
  • テキストサイズ:ポイント
  • サイズ/行送り:ポイント

線幅

デフォルトではできません。

Illustratorのみ、スクリプトを用いて実行することができます。たくさんの方が取り組まれています。

オブジェクトやフレーム

InDesign

InDesignには、フレームを5%刻みで大きく/小さくするキーボードショートカットが用意されています。

  • 5%比率増加:⌘ + option + .
  • 5%比率減少:⌘ + option + ,

比率/サイズ、1%/5%で8つの機能があります。

%機能キーボード
ショートカット
5%サイズ増加なし
サイズ減少なし
比率増加⌘ + option + .
比率減少⌘ + option + ,
1%サイズ増加なし
サイズ減少なし
比率増加なし
比率減少なし

比率増加/減少を使うと、フレーム内のコンテンツ(画像、テキスト、表)も一緒に大きく(小さく)なります。

画像のみを増減したい場合には、shift + escキー(または、[オブジェクト]メニューの[選択]→[内容])でコンテンツを選択します。

比率/サイズは、ほぼ同じような動きをするのですが、サイズ増加/減少では、フレーム内のテキストは影響しませんので、比率増加/比率減少でなく、サイズ増加/減少の方にキーボードショートカットを設定しておいた方が安全です。

Illustrator

InDesignの「フレームを5%刻みで大きく/小さく」に慣れてしまうと、Illustratorでこれができないのがとても不便です。

Illustratorでは、アクションを使うことで同様のことが実現できます。私は、次のアクションを用意しています。

  • 90%
  • 110%
  • 200%
  • 50%

これにキーボードショートカットを与えると、ムチャクチャはかどります。

なお、このアクションでは、[線幅の拡大・縮小]がオンになっていますので、必要に応じてオフバージョンを用意されるとよいかもです。

値の変更

各パネルで値がフォーカスされているときには、↑キー/↓キー、および、修飾キーの組み合わせで値を変更するのがラクです。

キーボード操作変更される値
↑/↓±1
option + ↑/↓±2
⌘ + ↑/↓±0.1

テキスト内の数字の変更(Illustrator)

スクリプトを用いると、次のようなことが実現できます。

  • 選択しているひとつのテキストオブジェクトの数字の増減する
  • (数字に限らず)連番を振り直す
  • 1文字目の数字を増やしながら複製する
  • 数字の先頭をゼロで埋めたり、まとめて削除する
  • 数字のブレンド
  • テキストの前後に文字列を挿入する

詳細は、こちらのエントリーをご覧ください。

補足

  • フィールドの移動にはtabキーを使う
  • 項目名(項目アイコン)をクリックすると、値がフォーカスされる
  • 値フィールド内でトリプルクリックすると、すべてがフォーカスされる(⌘ + AキーでもOK)

やもめもさんのこちらの記事にて丁寧に書かれています。

値の初期化(Illustratorのみ)

  • 項目名(項目アイコン)を⌘ + クリックすると、初期値に戻る
  • [行送り]アイコンをダブルクリックすると、文字サイズと同じ値になる

一覧表

カテゴリ
文字サイズ2ptずつcommand + shift + ,command + shift + .
10ptずつcommand + option + shift + ,command + option + shift + .
行送り2ptずつoption + ↑option + ↓
10ptずつcommand + option + ↑command + option + ↓
ベースライン2ptずつoption + shift + ↑option + shift + ↓
10ptずつcommand + option + shift + ↑command + option + shift + ↓
カーニング20(/1000em)option + ← option + →
100(/1000em)option + command + ← option + command + →
トラッキング100(/1000em)option + command + ← option + command + →