2020年の大移行(Silicon Mac、macOS Big Sur)
CC 2021、macOS Big Sur、そして、Silicon Macと呼ばれるハードウェアと大きな変革期に突入しました。
同時期に3つが来てしまったため、全体像や個々の対応状況を把握するのが面倒なだけでなく、状況も刻一刻と変わりつつあります。
- これまでMacはIntelプロセッサーを搭載してきたが、独自開発のARMプロセッサーを搭載したハードウェアが2020年11月にリリースされた(MacBook Air、MacBook Pro 13inch、Mac mini)
- 同じタイミングでmacOSの新バージョン「macOS Big Sur」がリリース。これまでの「10.x」から「11」に
- 「Apple Silicon Mac」+「macOS Big Sur」ではiPadアプリが動く(すべてではなく一部)
- macOS Big Sur上でCreative Cloudは動作する。ただし、「Apple Silicon Mac」ではネイティブでは動作しない。
この記事内の目次
macOS Big Sur
macOS Big Surはバージョンにして11.0。長らく10.xでしたが11になりました。
いうまでもなく、お仕事用に使うのは当分、避けましょう。
以下のバージョンのアプリは Big Sur で動作しますが、いくつかの問題が確認されています。
意図せず、インストールしてしまう可能性を少しでも低くするために、[アップデートを確認]をオフにしておきましょう。
互換性やトラブル情報
- macOS 11 Big SurへアップグレードしたMacで、全てのAdobe CCアプリを対象にファイル同期が止まったり、AcrobatでPDFにした署名が見えなくなる問題が確認される。 | AAPL Ch.
- Adobe、macOS 11 Big SurとIntel/M1プロセッサを搭載したMacで発生しているPhotoshop/Lightroomの既知の不具合を公開。 | AAPL Ch.
- macOS Big Surの不具合、アプリの動作不良、各種問題報告まとめ | ゴリミー
ユーティリティの対応
macOS Big Sur対応も兼ねてメジャーアップデートしたユーティリティ一覧。
- Hazel 5:フォルダー監視(リネーム、指定フォルダーに移動、指定アプリで開く)
- Bartender 4:メニューバーのアイコンの整理
- Karabiner-Elements 13:キーのリマップ
- A Better Finder Rename 11:ファイルのリネーム(ドロップレット化が可能)
Default Folder Xは、アイコンが変更されています。
Bartender 4
メニューバーのアイコンを整理する定番ユーティリティ「Bartender」ですが、メジャーアップデートによって、管理方法が変わりました。
[Menu Bar Layout]カテゴリにして視覚的に管理できるようになりました。
Hazel 5
フォルダー監視ユーティリティの定番Hazelは、メジャーアップデートでアプリ化(これまではシステム環境設定)。
UIが刷新されただけでなく、対象ファイルをドラッグ&ドロップすると、「Rule matches」(ルールに一致する)をチェックできるようになっています。
残念ながら、私の環境ではうまく実行されないことが多く、Hazel 4に戻してしまいました。
Apple Silicon Mac
まず、名称がややこしいので、整理しておきましょう。
「Apple Silicon Mac」「ARM Mac」「M1搭載Mac」などなど、さまざまな名称で呼ばれています。
供給元 | Intel | ARM |
---|---|---|
選択できるもの | Intel Core i7 or i9 processor | Apple M1 chip |
略称 | M1(チップ) | |
略称 | Apple シリコン | |
通称 | Intel Mac | Silicon Mac |
eGPU | (一応)対応 | 非対応 |
iPadアプリ | 動作しない | 一部、動作する |
エミュレーション | Rosetta 2で対応 | |
仮想環境 | Boot Camp、Parallels… | 非サポート |
M1はプロセッサーの名称です。乱暴にいうと「プロセッサー」=「チップ」=「CPU」です。
アップルのサイトでは、次のように記載されています。
- チップ:Apple M1チップ
- プロセッサ:2.0GHzクアッドコア(第10世代Intel Core i5)
参考サイト
- 次世代のMacを発表 - Apple (日本)
- Apple Silicon Macのベンチマークスコアが予想以上なのが話題ですが何でこんなに速いのでしょうか? - Quora
- アップルの「ARMへの移行」で、Macに何が起きるのか? いまわかっていることすべて | WIRED.jp
- 本の虫: macOSのM1とx86-64におけるベンチマーク比較の考察
- 【西川和久の不定期コラム】M1版Mac mini購入記。驚愕のパフォーマンスと、CrossOver 20で秀丸の動作も確認 - PC Watch
- Apple Rosettaってなに?すでに存在していたAppleのCPU変更ノウハウ|ikazuchi|note
こちら(↓)の表は、私(鷹野)がまとめたものです。
悩ましい実力…
Apple Silicon Macを導入することはすなわち、macOS Big Surへの移行を意味します。
- バッテリーが持つ
- 熱くならない
など、絶賛されている方が多い印象。
- いったいAppleは何をしたの? 「M1」搭載Macが完全に未来のパソコンだった件 | ギズモード・ジャパン
- Appleシリコン「M1チップ」高性能の秘密(1) | Macintosh | Macお宝鑑定団 blog(羅針盤)
- Apple Silicon “M1”はとにかくシングルコア性能が高い (1/2) - ITmedia NEWS
- ASCII.jp:Apple Silicon Macは、Macの皮をかぶったiPadか!? (1/3)
アドビ以外のアプリのネイティブ対応
Google Chromeはネイティブ版が用意されています。
Office for MacはM1対応のβ版がインストール可能になっています。
- [M1 Mac対応Apple Siliconバイナリ版「Office for Mac」ベータ公開 - ITmedia NEWS](https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2011/13/news061.html
Apple Silicon Mac上でiPadアプリが動く?
App Storeアプリにて「iPhoneおよびiPad App」と表示されているものが対象として、iPadアプリをインストールできます。
M1チップ搭載のMacはiPadやiPhone用アプリをインストールできるということですが、Adobeは全て非対応でした〜残念!
— Yuma Kato (@kayuuuma) November 20, 2020
反響や動作検証など
ものかのさんツールはGlow Aiが起動せず。Glow Id・DTPzipper・浮紙・SPAiは起動確認。Glow IdとDTPzipperは動作も大丈夫そう pic.twitter.com/FUF0rZJ493
— あかつき@おばな (@akatsuki_obana) November 20, 2020
そこで「フォトショユーザーには新しい M1 Macは買いなのか?!」ですが、1日テストしての僕個人の結論ですが、Rosetta2上でかなり動いてますが、仕事としてPhotoshopを使っているのなら、ネイティブ版が出るまで待ちだと思います。ネイティブ版が出たらまたパフォーマンステストしてみたいと思います。
— Daichi Ito (@daich_j) November 22, 2020
M1 Macでここ2日がっつり動画編集してるんだけど、Premiere Proのレスポンスはイマイチ。
— Yuma Kato (@kayuuuma) November 23, 2020
H.264やXDCAMコーデックの素材を走らせようとするとカクつくことも。
ハードウェアのデコード処理が最適化されてないとかって話な気がする…がんばれPremiere先生…
Silicon Macとアドビのアプリケーション
そもそも問題として、「現在、アドビのアプリは ARM プロセッサーに対応していません。」と明言されています。
Creative Cloudデスクトップ
Silicon MacにCCDA(Creative Cloudデスクトップアプリ)をインストールすると、上部に「ベータ版」と表示されます。
アプリケーションアイコンもβ版風になっています。
インストール可能なアプリケーション
次のアプリケーションは、インストールして動作できます。
- Illustrator
- Photoshop
- InDesign
- Acrobat
現在、Apple silicon デバイスをお使いです。新しいバージョンのこのアプリケーションは、Apple silicon 用に開発されていますが、Intel ベースのバージョンもご利用いただけます。
「このアプリケーションは、Apple silicon 用に開発されています」は、正しくは「このアプリケーションは、Apple Silicon 用に開発中です」の間違い。現在は、Intel版のみが公開されています。
ネイティブ対応
Silicon Macを使っている場合のみ、CCDA(Creative Cloudデスクトップアプリケーション)の[ベータ版アプリケーション]にPhotoshopのARMバージョンが出てくるようです。https://t.co/VmIutEREew pic.twitter.com/KLLyveJDgs
— DTP Transit (@DTP_Transit) November 18, 2020
反響など
\M1搭載MacBook AirでAdobeソフト使ってみた/
— ベーコン@ブログとデザイナー→2019出版 (@dogdog464646) November 20, 2020
コメント欄で質問があった
「Adobeソフト動くの?」を検証しました
・ブラウザでYouTubeタブ4つ開いて、
・イラレ起動して
・フォトショ起動して
・負荷をかけながら
Final Cut Proで編集ができるかテストもしたよ
↓URL↓https://t.co/XrVdQX4BHm pic.twitter.com/1uYQQc1Aki
ご参考までに、私(鷹野)の方針
当面は、次の環境を基本として運用します。
- macOS Mojave(10.14)
- CC 2021
- Intel Mac(Mac mini)
Excel 2011、QuickTime Player 7(Pro)、iPhotoなどのアプリが10.5以降では動かないことが大きな理由です。
一方、「Silicon Mac+macOS Big Sur」への移行を視野に検証を続けます。セミナーなどのデモでは積極的に利用していく予定。
追記(2020/12/03):
M1 Macの発表から3週間、ようやくようやくアドビから公式のリリースが出ました。
同感。
Adobeはネイティブ対応が遅いですね〜。えっ〜と今年の6月から開発者向けにMac miniの筐体にA12Zプロセッサを組み込んだ「Developer Transition Kit」(DTK)を有償で貸与するプログラムをスタートしているわけで約半年の猶予があったのにまだ対応出来ないと。Adobeは仕事が遅いね!
— 999xyzh (@999xyzh) December 3, 2020
そして、Rosettaとすべきところが、4箇所「Roseta」になっています。やる気ないんだ…