Illustrator 2020(24.1)リリースの新機能・改良点
この記事内の目次
Illustrator 2020がアップデートされ、24.1になりました(2020年3月)。
次の機能が追加・強化されています。
- アートボードのコピー&ペースト
- ツールバーの編集の改良
- リアルタイムの描画と編集
なかでもアートボードのコピー&ペーストは待望の機能です。
アートボードのコピー&ペースト
アートボード単位で同じドキュメント内、または、ほかのドキュメントにコピー&ペーストできるようになりました。アートボード名は(ダブっていても)保持されます。
アートボード内にロック、または、非表示のオブジェクトがある場合には、次のアラートが表示されます。
アートボード内にロック、または、非表示のオブジェクトも一緒にコピー(カット)したい場合には、環境設定の[選択範囲・アンカー表示]カテゴリで[ロックまたは非表示オブジェクトをアートボードと一緒に移動]オプションをオフにします。
[レイヤー]パネルのオプション
[レイヤー]パネルオプションで[コピー元のレイヤーにペースト]をオンにしておきましょう(デフォルトはオフ)。オフのままでペーストすると、ペースト時にレイヤーが統合されてしまいます。
ツールバーの編集の改良
ツールバーをカスタマイズするときに、スキマでなく「ここに入る」というスペースが表示されるようになりました。また、マウスカーソルも選択しているツールのものが表示されます。
難をいえば、ドラッグでなく、ダブルクリックでツールを追加したい。
リアルタイムの描画と編集
拡大などを行うとき、アウトラインでなくプレビューされるようになりました。
しかしながら、[環境設定]の[パフォーマンス]カテゴリ内の[リアルタイムの描画と編集]オプションはデフォルトでオフになっていますのでオンにしておきましょう。
次のツールが対象です。
- 円弧ツール
- スムーズツール
- 曲線ツール
- 曲線ウィジェット
- ダイレクト選択ツール
- 楕円形ツール
- グラデーションツール
- 直線ツール
- ライブコーナーウィジェット
- ライブシェイプウィジェット
- 遠近グリッドツール
- 多角形ツール
- 長方形ツール
- 長方形グリッドツール
- リフレクトツール
- 回転ツール
- 角丸長方形ツール
- 拡大縮小ツール
- シアーツール
- スパイラルツール
- スターツール
- 文字ツール
- 文字(縦)ツール
- 線幅ツール
環境設定/パフォーマンス/リアルタイムの描画と編集に移動します
とありますが、クリックしても何も起こりません。
「環境設定/パフォーマンス/リアルタイムの描画と編集」で有効・無効を編集できます。
という意味。
自由変形
自由変形ツールを使って変形するときの挙動が変更されています。
これまでは変形時にバウンディングボックスがリセットされていましたが、このバージョンからリセットされなくなっています。[リアルタイムの描画と編集]にも対応しています。
[プロパティ]パネルのパフォーマンスが向上
「パフォーマンスが向上」について、実感を持ってはよくわからないのですが、次の2点を挙げておきます。
- 項目名を「⌘ + クリックして初期化」が(ようやく)サポートされました。
- [行送り]をダブルクリックして[文字サイズ]と同じ値にする機能はサポートされていません。
UIの変更
各パネルの[新規○○を作成]アイコンがPhotoshopと同様に変更されています。
バグフィックス
たくさんのバグフィックスも行われているようです。
参考:Illustrator リリースにおいて修正された問題
- 複数のオブジェクトを同時に選択したときにグラデーションガイドが表示されない
- ファイルの保存ワークフローの問題を修正
- Scripts フォルダーが iCloud フォルダーのシンボリックリンクになっていると、ファイルメニューの使用時にクラッシュする
- ファイルの保存時に Command+Shift+N で新規フォルダーを作成できない
- パスの内部ポイントをポイントグリッドに整列できない
- SVG 書き出しでの <title> 要素の削除
- PDF の環境設定フォルダーに PDF ジョブオプションファイルがあると、.ai 形式でファイルを保存できない
- バックグラウンドで画像を書き出すと、オーバーフローテキストのアイコンが表示される
- バリアブルフォントの CoolType レンダリングが正しく機能しない
- フリーフォームグラデーションを含むカスタムシェイプと他のシェイプを一緒に選択すると、グラデーションカラーが変更される