Google スプレッドシートの翻訳機能を活用する
この記事内の目次
オリンピックを目前に、翻訳の必要性が高まっているようです。
Google スプレッドシートには翻訳のための関数があります。こちらの利用方法について解説します。
ベーシックな考え方
基本
Google スプレッドシートで次のようにセルに入力すると、「さようなら」が「goodbye」に翻訳されます。
=GoogleTranslate("さようなら","ja","en")
GoogleTranslate関数は、「GoogleTranslate(翻訳したいテキスト, ソース言語, ターゲット言語)」のように3つの引数を使って指定します。
なお、googletranslateやGOOGLETRANSLATEのように、すべて小文字/大文字で書いても問題ありません。
オンラインヘルプはこちらです。
言語コード
関数内の「ja」(日本語)や「en」(英語)は、言語コードと呼ばれます。
=GoogleTranslate("さようなら","ja","en")
下記が主だった言語コードです。
言語コード | 言語 |
---|---|
en | 英語 |
ja | 日本語 |
fr | フランス語 |
it | イタリア語 |
de | ドイツ語 |
es | スペイン語 |
zh | 中国語 |
ko | 韓国語 |
ru | ロシア語 |
- ソース言語には「"auto"」を指定し、自動取得させることでもできます。
- 簡体字、繁体字を区別する場合には、「zh-CNW」(簡体字)、「zh-TW」(繁体字)のように記述します。
言語コードの一覧は、Wikipediaの「ISO 639-2コード一覧」の「2文字コード(ISO 639-1)」にて掲載されています。
相対参照(1)
複数の文字列がある場合、それぞれの引数に翻訳したい文字列を入力するのは面倒ですし、また、スプレッドシート上で翻訳したい文字列を確認できません。
そこで、次のように入力し、翻訳したいセルを参照します。
=googletranslate(A2,"ja","en")
B2セルをドラッグコピーして複製します。
相対参照(2)
ほかの言語にも翻訳したい場合には、「$A2」と入力して、それぞれの行がA列を参照するようにします。
=googletranslate($A2,"ja","en")
絶対参照
「相対参照(1)」にて、翻訳したいテキストをスプレッドシート上に表示した方が“見通しがよい”ことについて触れましたが、言語コードも同様です。
=googletranslate($A3,$A$2,B$2)
言語コードは、常に同じセルを参照しますので、「$A$2」のように絶対参照します。
簡易校正
たとえば、英語に翻訳したい場合、「日本語から英語」、その結果を使って「英語から日本語」と2回翻訳し、最初の日本語と最後の日本語を比べることで簡易校正とすることができます。
次の例では「こんにちは」は問題ありませんが、「少々お待ちいただきます」は「私たちは、少し待ちます。」のように主語がねじれてしまいます。
独自の表現はもちろん、日本語は主語を省略しがちですので、結果をみながら翻訳したいテキストに手を入れます。
このテクニックを使えば、英語以外の「そもそもまったく読めない」言語にも対応できます。
2019年には、『サカイマッスル線』が話題になりましたが、最低限、このような校正を行うことで、最悪の状況はまぬがれます。
- 堺筋線が『サカイマッスル線』? 大阪メトロ公式サイトの英訳が自動翻訳でめちゃくちゃに | ハフポスト
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その他
Google 翻訳との差
Google スプレッドシートの翻訳結果は、本家のGoogle翻訳と同様ではなく、本家のGoogle翻訳の方が精度が高くなっています。
GAS(Google Apps Script)を利用する
次の記事で紹介されているスクリプトを使うことで、Google スプレッドシート上にテキストを入力すれば、(少しのタイムラグはありますが)リアルタイムに翻訳されるようになります。
Excelでは?
[校閲]タブの[翻訳]をクリックし、[トランスレーター]作業ウィンドウで翻訳できます。
- 【Excel】英語で書かれた資料の翻訳が面倒!エクセル上で英語をすばやく機械翻訳するテクニック - いまさら聞けないExcelの使い方講座 - 窓の杜
- 別の言語にテキストを翻訳する - Office サポート
また、方向性はことなりますが、Excelのメニューや関数などについて、これを変換することができます(80言語、800個の関数に対応)。
まとめ
海外で見かけるおかしな日本語は、また少し異なる次元ですが、翻訳によって文法的には合っていても意味が通じなかったり、理解できないこともありえます。
つまり、ことばは翻訳するだけでなく、文化的なチェックが不可欠です。また、言語併記だけが“おもてなし”じゃないという視点も忘れずにいたいものです。
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