スクリーンショットの扱いについて(解像度やファイル形式)

印刷を前提したときのスクリーンショットの扱いについて、まとめてみます。

  • 解像度の変更:行いません
  • カラーモードの変更:しなくてもいいかも…
  • ファイル形式はPNGで
  • 転送方法に要注意!!
  • 撮影時にディスプレイプロファイルに注意

解像度

「印刷を前提にするとき、配置画像は300-350ppiにする」というガイドラインがありますが、スクリーンショットに関しては変更する必要はありません

逆に、Photoshopで解像度(実ピクセル)を変更すると、逆にモヤっとしたり、モアレ(干渉模様)が出てしまうので、一切やりません。

[再サンプル]は行わない

厳密にいうと、Photoshopの[画像解像度]ダイアログボックス([イメージ]メニューから開く)にて[解像度]を変更することはありますが、その際、[再サンプル]オプションはオフにしておくようにしてください。

[再サンプル]オプションをオンにすると、上の[寸法]にて表示されている実ピクセル数が変化してしまいます。

ファイル形式

PNGがよいです。

後述しますが、ファイルの受け渡しにてJPEG形式にしている場合、著しく劣化します。

カラーモードの変更

「印刷を前提にするとき、配置画像のカラーモードはCMYKにする」というガイドラインがあります。スクリーンショットはRGBですので、これをCMYKにするかについて。

墨版生成:最大

まず、問題になるのが「墨文字」の扱い。

  1. [チャンネル]パネルで確認すると、RGB、それぞれのチャンネルにばらけていることがわかります。

  2. [イメージ]メニューの[モード]→[CMYK]を実行すると、RGB、それぞれのチャンネルにばらけてしまいます。

  3. プロファイル変換を使って

    • [編集]メニューの[プロファイル変換]をクリック
    • [変換後のカラースペース]に「カスタムCMYK」を選択
    • [墨版生成]を「最大」にする

     結果、墨文字は「ブラック」チャンネルのみに残ります。    

「墨版生成:最大」は、Windowsのスクリーンショットには太刀打ちできない

現在のWindowsでは、スムージングによって墨文字の黒が黒でなくっています。

そこで、「墨版生成:最大」にてプロファイル変換を行っても、CMYのチャンネルにカラーが残ってしまいます。

対応策はあるでしょうが、現実的ではありません。そんなこともあり、Windows環境で撮影したスクリーンショットへの処理は“がんばらない”のが落としどころです。

CMYK変換をどうするか?

現在は、IllustratorやInDesignのネイティブファイルを入稿するのではなく、PDF入稿が主流です。

  • PDF/X-1a:配置画像は自動的にCMYKになります。
  • PDF/X-4:RGBのままですが、出力時にCMYKとして処理されます。

今の主流はX4です。

撮影時に留意したい[ディスプレイプロファイル]

macOSの場合、デフォルトでは[ディスプレイプロファイル]に(内蔵ディスプレイを示す)「カラーLCD」が適用されています。

接続している外部ディスプレイによって、そのディスプレイのプロファイルが適用されています。

撮影する人(環境)によって、色味が揺らぐのは好ましくありませんので、一貫性のために、スクリーンショットを撮る前に「Adobe RGB」あたりにしておくのとよいでしょう。

メールやメッセンジャーを介して送信しないこと

メールやメッセンジャーの多くは、転送時にピクセル数を間引いたり、圧縮するなど劣化します。意識的に「実際のサイズ」を選択すればよいのですがミスの元です。

ぱっと見た目はわからなかったりしますが、拡大してみると、目に見えてわかるハズです。

備考(1)

スクリーンショットは「スクショ」として定着しましたが、次のような言い方もあります。

  • (スクリーン)キャプチャ
  • スクリーンダンプ

備考(2)スクリーンショットの撮り方

WebDesigner's Memorandumさんの記事も参考にされてください。