Illustratorでの作業効率を高めるための原理・原則

この記事内の目次

絶対に正しい、ということではなく、個人の意見です。

保存

  • 「⌘ + S」が最強のノウハウ
    • 自動保存や復元に期待しない
    • バックグラウンド保存(バックグラウンド書き出し)も使わない

保存先

  • アドビ(Creative Cloud Files)、アップル(iCloud)のサーバーソリューションは信用しない
    • Time Machineは使わない(復元が煩雑で時間がかかる)
  • Dropboxを使う
  • ファイル単位でのベタなバックアップも頻繁に
  • 可能ならForeverSave 2も併用
  • CCライブラリを使う場合には、定期的に手動でバックアップする

不可解な挙動

オブジェクトが勝手に移動する

1時間に一度くらいのスパンでIllustratorを再起動する

描画エラー

  • GPUプレビューをOFF/ONする
  • デフォルトでは⌘ + Eキー

文字入力

Illustrator上では基本的に文字入力は行わない。 遅いただけでなく、落ちる原因。

フォント指定

次の2つの機能を利用するだけで、フォント指定は確実に時短できる。

  • 「最近使用したフォント」
  • 「お気に入り」フィルター

ズームの達人になる

アートボード

  • 全体表示:左手でできるように変更(⌘ + 1)
  • すべてのアートボード:⌘ + option + 0
  • アートボードの切替
    • 次のアートボードへ:Shift+fn+↓
    • 前のアートボードへ:Shift+fn+↑
    • 先頭のアートボードへ:Shift+Cmd+fn+↑
    • 最終のアートボードへ:Shift+Cmd+fn+↓

オブジェクト

  • 環境設定の[選択範囲・アンカー表示]カテゴリの[選択範囲へズーム]
  • Adobe XDの選択範囲に合わせてズーム(⌘ + 3)を実現するために、ZoomAndCenterSelectionを使う
  • ズームツールの挙動
    • 環境設定の[パフォーマンス]カテゴリの[アニメーションズーム]をオフにして従来の“マーキーズーム”に戻す

ツールの切り替え

  • よく使うツールをカスタムツールバーに登録する
    • 「詳細」(全部入り)と併用するのがよい

次は一例だが、基本的に使うツールは左手でのみで行えるようにし、次のようにするのも吉。

  • ツールバーを使わない
  • そもそもマウス操作でツールを切り換えない
キーデフォルト変更案覚え方+shift
Qなげなわツール(なげなわの形状)自動選択
ツール
Wブレンド
ツール
ペン
ツール
writeアンカーポイント
ツール
E自由変形
ツール
楕円
ツール
ellipseリフレクト
ツール
R回転
ツール
長方形
ツール
rectangle回転
ツール
T文字ツールtext文字タッチ
ツール
Aダイレクト選択ツールanchorアートボード
ツール
S拡大・縮小
ツール
シェイプ形成
ツール
shape builder tool拡大・縮小
ツール
D(初期設定の塗りと線)default
F(スクリーン
モードを切り換え)
直線
ツール
figure線幅
ツール
Gグラデーション
ツール
グループ選択
ツール
group selectionグラデーション
ツール
Zズームツールzoom
X(塗りと線を切り替え)eXchange塗りと線を切り替え
Cはさみ
ツール
スポイト
ツール
colorライブペイント
ツール
V 選択ツールvector

ワークスペース

よく使うパネルを、使いやすい位置に配置し「ワークスペース」として登録する。

  • パネルは開けば開くほど重くなる
  • 上書きするには、同じ名前で保存
  • 閉じたパネルも、その位置を覚えている
  • キーボードショートカットを節約するために、セットにしておく

整列

Illustrator 2020以降、整列コマンドにキーボードショートカットをアサインできるようになっている。しかし、次の理由からアクションを介して実行するのが吉。

  • アンカーポイントの整列の対応していない
  • 等間隔に分布に対応していない

参考

育てる系

  • 環境設定をチェックし、デフォルトの挙動を調整する
  • ドキュメントプロファイルを活用し、自分ごのみのIllustratorに育てる
    • スウォッチ
    • グラフィックスタイル
    • 段落スタイル、文字スタイル
    • デフォルトのフォント
  • キーボードショートカット、アクション、合成フォントも同様

アクション

“手続き”的な作業にはアクションの利用を検討する

フォント管理

MORISAWA PASSPORT、フォントワークスLETSなどを使っている方はフォント管理が必須。

  • FontExplorer X Pro、Suitcase Fusionがオススメ
    • ただし、自動有効化機能は使わない
  • フォント数が多い場合、Font Book.appは使いものにならない

詳しくはこちらのエントリーを参照ください。

設定ファイルのバックアップ(と同期)

下記は、原本をDropboxに置き、そのシンボリックリンクを所定の場所に置く。これによって、どのマシンでも常に最新の環境になる。

  • キーボードショートカット(.kys)
  • ドキュメントプロファイル(.ai)
  • まるっと環境設定関連のフォルダーごと

下記は、自分でファイルを保存する。

  • アクション(.aia)
    • その際、「myActions-20200304.aia」のようにファイル名にタイムスタンプを付けて管理する(読み込み時には、タイムスタンプは無視される)

Mac

  • メモリは潤沢に(MacBookは後から増設できないので購入時の最大にする)
  • ドライブの空き容量が少なくなるとパフォーマンスが目に見えて落ちる
  • 半年に1回程度、クリーンインストールを行う(移行アシスタントは使わない)

こちらにてメンテ方法が紹介されています(バッテリーの放電は不要)。

キーボードショートカットの枯渇問題

次の理由から、キーボードショートカットの枯渇問題は深刻。

  • そもそもキーボードショートカットの空きがない
  • Touch Barによって、F1-F12キーの利用は絶望的

これを解決するものとして、Keyboard Maestroの利用を考えたい。

加えて、Karabiner-Elementsを使って、キーのリマップを行う。

その他(哲学的なこと)

  • パネルは開けば開くほど重くなる
  • 「右手はマウス、左手はキーボード」がIllustratorの作業でのホームポジション
    • ツールの切り換え、キーボードショートカットは左手だけで完結できるのが正義
  • 保存への意識をシビアに
  • なるべくクリップボードを介さない

参考