Illustrator 24.2(2020年6月リリース)の新機能・改良点

Illustrator 2020(24.2)がリリースされました。新機能付きのアップデートです。

この記事内の目次

アイコンとスプラッシュスクリーンの変更

アイコンが角丸になり、太めのウェイトになりました!

Illustratorに限らず、(Acrobatを除く)ほかのアプリケーションのアイコンも変更されています。

次のようにジャンルごとに、同系統のカラーになっています。

Illustrator、Photoshop、InDesignは色だけで見分けがつきますが、写真や映像系はヘビーですね…

スプラッシュスクリーン

スプラッシュスクリーンも角丸になっています。

直前までのものと比べてみると、ちょっとモダンな印象。

しつこくリクエストしてみるのですが、スプラッシュスクリーン内のアート画像は“押し付け”のものでなく、自由が欲しいです。

  • アート画像を自由に選ばせて欲しい
  • アート画像なしを選べるようにして欲しい

新機能(1)アートボードおよびカンバスサイズの変更(ラージカンバス)

Illustrator CS4(2008年)にて導入されたアートボードですが、CC 2018(2017年)にアートボード数の上限が1,000に、そして、このバージョンでアートボードの1辺の最大値が10倍の57795.5833mm(およそ60メートル)になりました。

1辺が10倍になったということは、面積としては100倍になったことを意味します。

なお、中途半端な印象の57795.5833mmは2270インチです。2270も割り切れない感じの数字ですが…

こちらは待ち望んでいた方が多い機能です。

「拡大縮小しても劣化しない」のがIllustratorの特徴ですが、出力時に拡大すると、パスの[平滑度]あたりの設定によって“カクカク”してしまうといったトラブルがあるため、「原寸で作成したい」というニーズがありました。

アートボードとカンバスの関係

念のためですが、アートボード、カンバス、ドキュメントは次のような関係です。

ちょっとややこしいのですが、今回のアップデート「ラージカンバス」で拡大したのは「カンバスの大きさ」です。

アートボードの数(および大きさ)は、カンバス内で可能な限りという制限がついています。カンバスが拡大したことで、アートボードサイズも大きくできるようになったということ。

アートボードがひとつの場合には60平方メートルの大きさで作成できますが、その大きさで作成すると、その隣にはアートボードは作成できません。

単位の変更

ラージカンバスで単位が増えました。

0:inch
1:mm
2:pt
3:pica
4:cm
5:Q/H
6:px
7:フィートとインチ
8:メートル
9: ヤード
10:フィート

下記の記事にて公開しているマクロは修正版を準備しています。

互換性

今回のラージカンバスは「新規にドキュメントを作成時に限り」という制限付きです。

あとからカンバスサイズを変更することはできません。そのため、環境設定に[PDFを読み込みする際にスケールを維持]というオプションが追加されています。

意図としては次の意味だと思いますが、実際にはカンバスサイズは変わらないので、結果は同じです。

  • オンの場合:必要に応じてカンバスサイズが拡大し、読み込むPDFの実寸が保持される
  • オフの場合:読み込むPDFが縮小されます。

ただし、オンの場合のみ、次のダイアログボックスが出ます。

PDFでは1.6以降のバージョンにて対応しています。つまり、1.5で書き出すことはできません。こちらを一読しておきましょう。

文字サイズのシバリ

「12960 pt」までしか設定できないようです。めったにないかもですが、めいっぱいのアートボードに対して足りません。

ワークアラウンド(回避策)は、[変形]効果で大きくすること。

新機能(2)クラウドドキュメント対応

Photoshopに続き、Illustratorもクラウドドキュメント対応になりました。

ドキュメントの保存時に、次のようなダイアログボックスが表示されます。

[クラウドドキュメントに保存]を選択すると、アドビのCreative Cloud Web内に保存されます。

ローカルの「Creative Cloud Files」とは同期しないので注意しましょう。

クラウドドキュメントに保存するときの拡張子は「.aic」です。「.psdc」と同様、cはcloudに由来します。

リンク配置が使えない…

クラウドドキュメントとして保存する場合には、リンク配置は使えません。当然といえば当然ですが、現実的なワークフローとしてはしんどいかも。

クラウドドキュメント対応で何が変わるのか(1)ドキュメント単位でのバージョン管理が可能に

新しく[バージョン履歴]パネルが追加されました。次のいずれかによって、「保護されたバージョン」として、その時点をスナップショットとして戻れるようになっています。

  • […]→[このバージョンに名前を付ける]
  • リボンアイコンをクリック

クラウドドキュメント対応で何が変わるのか(2)第三者のレビューが可能に

環境設定

環境設定の[ファイル管理・クリップボード]カテゴリに[クラウドドキュメントを次の間隔で自動保存]というオプションが追加されています。

デフォルトはオンで「5分」。それ以下に設定することはできません

クラウドドキュメントの未来

近日中に、他のユーザーとドキュメントを共有してアプリ内で直接編集やレビューができるようになります。

とありますように、今後、クラウドドキュメントはGoogle スプレッドシートのように、複数人による同時編集が可能になることが予想されます。

近日リリース予定のIllustrator iPad版からもクラウドドキュメントを利用できるため、iPadでも場所を問わず作業ができるようになります。

こちらは年内リリースが予告されています。

不具合など

整列の機能強化と致命的なファンキー仕様

オブジェクトがひとつだけのとき、自動的に対象がアートボードになりました。これによって、対象オブジェクトをグループ化すれば、スクリプトなしでアートボードへの整列が可能です。

せっかくの機能強化ですが、これに起因してキーオブジェクトがファンキーなことになってしまっています…(悲)

  1. 整列の対象は「選択範囲に整列」
  2. 長方形を3つ描画し、すべてのオブジェクトを選択する
  3. いずれかのオブジェクトをクリックしてキーオブジェクトに設定する
  4. 選択を解除する(この時点で整列の対象が「キーオブジェクトに整列」になっているのがNG)
  5. すべてを選択し、異なるオブジェクトをキーオブジェクトに設定する
  6. 選択を解除する
  7. すべてを選択する(→意図せず、最前面のオブジェクトがキーオブジェクトに設定されてしまう)

キーオブジェクトを再度クリックして解除すればよさそうですが、[整列]パネルの右下で「選択範囲に整列」に変更しない限り、次のアラートが表示され、整列を行うことができません…

回避策

  • オブジェクトを選択後、改めて自分でキーオブジェクトにすべきオブジェクトをクリックする
  • [整列]パネルを常に開いておき、[整列の対象]を変更する
  • 極力、キーオブジェクトを使わない

その他、別の記事にまとめましたのでご覧ください。

不具合系の改善

前バージョンでの不具合についても調べてみました。

外部アプリからテキストをコピー&ペーストすると文字化けする

→ 解決!!!!!

新規ドキュメント内のサイズの端数

  → 解決(ただし、[以前の「新規ドキュメント」]では未解決)

線幅のない線の[W]が「0.00001px」のように表示される(単位がピクセルのとき)

→ 未解決

キーオブジェクトで整列するときの値の単位が消えてしまう件

→ 解決!

/Users/takano/Dropbox (sw)/Dropbox-shared/ss-uploaded/ss-610-20200622-180510.png

新しいファンキー仕様(1)

[線]パネルの破線の値に不要な「0」が入力されてしまいます。無視して作業してもよいのですが、ちょっと気持ち悪いです。

新しいファンキー仕様(2)

ローカライズ

Illustrator 24(2019年11月リリース)にて、環境設定の[一般]カテゴリに[すべてのドキュメントで定規を表示 / 非表示]オプションが付きました。

複数ドキュメントを開いているとき、定規の表示・非表示を一斉に行うというものです。

Illustrator 24.2では、[定規を表示・非表示]に変わってしまいました… いやいや、これじゃ、わからないって!!!

 

リリースノートと24.1

アドビのリリースノートも公開されています。

なぜか、24.1のリリースノートは掲載されていません… 24.1は“なかったこと”になっているのかも。

24.1については、こちらをご参照ください。

24/24.1/24.2、それぞれの新機能のまとめ。

アップデートが落ちてこないときには…

ほかの人は「アップデートした!」って言っているのに、自分のところには来ない、という場合には、CCDA(Creative Cloudデスクトップアプリケーション)からログアウトしてみましょう。